連戦連敗で

 推しグループの全国ホールツアーというのが、今年の上半期を通じて開催

され、それのチケット販売がはじまっています。ファンクラブ先行とか、

ホームページからの先行だとか、あれこれとあるのですが、当方はファンクラブ

会員ではありませんので、通常の先行予約にエントリーすることになりです。

 エントリーしたら、あたることばかりを考えて、さてどのようにして行くこと

にしようかとか、宿はどうしようかと思うのですが、これがまったくあたらず

でありまして、どうせあたらないのであれば、どこで開催される公演であって

もエントリーするぞと九州から北海道まで、へたな鉄砲状態であります。

 できればLCCで行けるところがいいなと思っていたのですが、そんなことは

いってられないと、鳥取だとか島根などにもエントリーで、ほんと間違って確保

できましたら、どうするのでありましょう。

 ツアーが始まるのは、まだまだ先でありますが、あと何回くらい先行予約の抽

選に応募することができるのでしょうか。

 2月は当方の誕生月でありまして、先日の占いでは水瓶座は運がよろしくて、

願いはかなうとあって、それに元気をもらっているのですが、さてこの挑戦は

どうなるのでありましょう。

 しばらくほっておいた辻原登さんの「卍どもえ」に手がのびて、すこし読む

ことになっています。そういえば、これをほっておいたのは、そのまえに谷崎

の「卍」を読んでおこうと思って、それができていなかったからです。もうずい

ぶんとほって置かれているので、谷崎を読んでからというようなこともいって

られなくて、読んでみると、これがさすがなのでありますね。

 特には伏線なのか、脇道なのかわかりませんが、あちこちに散らばっている

小ネタのところが面白くて、このへんが辻原流でありましょうか。

 たとえば、比較的はやいところにある、次のようなくだり。「目黒の秋刀魚」

を話題にしていたグループの女性たちの一人が、突然のように口を開きます。

「『あなた、丸谷才一の『輝く日の宮』、お読みになった?』

 ちづるは首を振って、急に小説の話が飛び出して来たことに不意を衝かれ、

 怪訝な面持ちで立ち止まった。

自然教育園が小説のラストシーン。・・」

 目黒の秋刀魚から、丸谷と「輝く日の宮」、そして自然教育園とつながるとこ

ろなど、丸谷ファンにはたまらないことであり。

 丸谷さんが自分の住んでいたところの坂のことを、サンマ坂と言っていたこ

となどを思いだして、にんまりとするのでありました。