手付かずの一冊

  先日に図書館から借りてきた本の一冊は、ほとんど読む事ができずで返却するか、
それとも延長するか決めなくてはいけないようです。
 その一冊は四方田犬彦さんのものでありまして、この一冊はほとんど出ていることも
知らずでした。2010年刊行のものですが、この時期の四方田さんは毎月のように新刊が
でているのではと思われましたので、とってもフォローできずでした。

女神の移譲――書物漂流記

女神の移譲――書物漂流記

 この本は、「新潮」に二年間連載したものを軸に、他の二本を加えて単行本としたも
のですが、当方のアンテナにかかってこなかったのは、版元が作品社であったからで
しょうか。
 それにしても、こういう著作は当方の好みでありますよ。
 このなかには、「金時鐘さんの『朝鮮詩集』再訳」と副題のついた「翻訳の政治学
向けて」という文章もありました。
 「朝鮮詩集」というと金素雲さんの訳で岩波文庫に入っているのですが、それを金時
鐘さんが訳して、2007年同じ岩波から単行本で出すにいたった経緯を、金時鐘さんに
よって解説するというものです。
 そういえば、四方田さんは、韓国語にも明るいのでありましたね。
朝鮮詩集 (岩波文庫)

朝鮮詩集 (岩波文庫)

再訳 朝鮮詩集

再訳 朝鮮詩集