先日に四方田犬彦さんの新刊と一緒に届いた二冊が、次に読む候補のものです。
そういいながら、ちょっとほっておかれそうですが、この二冊は大村線つながりの
ものとなります。(大村線とは、もちろんJR九州の大村湾にそって走る線路。
佐世保と諫早を快速シーサイドライナーでしたら1時間ちょっとでつなぎます。)
一冊は、佐藤正午さんの「小説家の四季」
- 作者: 佐藤正午
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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の岩波エッセイシリーズの四冊目です。これまでは、光文社文庫になってから購入
していたのですが、前作の「ありのすさび」がでたのは2005年とのことで、十一年
ぶりの新刊です。これが文庫になるのを待っていれば、あと数年はかかるでしょう
から、ここはひとつ新刊で買ってやりましょうと思いました。
このタイトルになっている「小説家の四季」というのは、岩波の「世界」に連載
され、それが終わってからは岩波書店のWEBマガジンに掲載されたものだそうです。
この本のあとがきからです。
「『小説家の四季』というタイトルの連載エッセイは。もとは、ある企業が発行元
の季刊誌から依頼を受けて始めたもので、・・その連載はのちに『小説のヒント』と
タイトルを変えて、季刊誌が休刊となる2002年まで続いた。そこまでの連載分は、
すべて過去のエッセイ集に収録されている。
で、2002年でいったん途切れたその連載エッセイ集を、あらためて『小説家の四季』
と題して復活させて舞台を用意してくれたのが、過去三冊のエッセイ集の担当編集者
いつものように坂本政謙君である。」
以上の引用文のうち、いつものようにというところには、傍点がうたれています。
とにかく、この編集者がいなければ、当方は佐藤正午さんのエッセイを知らずに終わっ
たでありましたでしょう。
しかし、佐藤正午さんに「小説家の四季」ということで、長期にわたって連載させ
た企業の季刊誌というのは、今になって考えると特筆ものでありますね。1987年から
2002年まで15年も発表の場を提供していたのですから。いまは休刊となってしまって
いる雑誌は、「日機装株式会社の『BRIGHT』」とのことです。
この岩波の本を手にして残念なのは、文庫本にはかならずついている、編集者坂本
さんの解説がないことでしょう。この元版から文庫となるまでに必要な時間は、これ
までのをみますと5年くらいでしょうから、それはがまんすることにしましょう。
大村線でつながるもう一冊は、次のもの。
- 作者: 野呂邦暢,豊田健次,福間健二
- 出版社/メーカー: 文遊社
- 発売日: 2016/01/28
- メディア: 単行本
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存在に力を得て、作家修業を行ったと書いています。今回の「小説家の四季」にも、
みすずの「大人の本棚」によせた佐藤正午さんの文章が収録されています。
野呂さんが亡くなった頃に、佐藤さんは小説を書き始めていて、野呂さんの本のどこ
にも佐藤正午さんのことはでてきませんです。