日中気温上がる

 ここのところ日中の最高気温が10度を超えるようになりました。おひさんがでてい
るとストーブは必要でなく、昨夕は二階で過ごしていても寒さを感じませんでした。
久しぶり、二階に設置しているWindowsディスクトップパソコンで、ブログの更新作
業を実施です。Windowsで更新したのは、ずいぶんと久しぶりのこと。
 岩波文庫「五足の靴」を手にしておりましたが、新聞に連載で、一回分がとても
短いので、トイレで座って読むのに最適な一冊であります。
 この文章が書かれた時の、五人の年齢が解説にありますが、最年長はリーダーで
ある与謝野寛の35歳、その他はかぞえ年23歳というから、いまなら大学生という
年齢であります。とはいものの、さすが後年に名をなす俊秀たちでして、なんとも
堂々として立派なことであります。
 この「五足の靴」は、九州でもとりわけ長崎の紀行文が多いのですが、この九州
旅行では、大田正雄(木下木太郎)が関心を寄せているキリシタン文化の伝承の地
を訪問することに熱心で、そのための事前勉強もおこたりなしであったとのことで
す。
 当方は「五足の靴」のメンバーのなかでは、大田正雄に一番の関心がありますの
で、大田正雄の他の文章も読んでみたいと思うことです。(そういえば、岩阪恵子
さんの「わたしの木下杢太郎」も買ったままでありました。)
 なかなか簡単に九州へは行くことができないので、「五足の靴」からは京都につい
てのところを見てみることにします。京都でしたら、年に数回は足を運ぶ機会があり
ますので。ここに取り上げられているところでしたら、足を運ぶことも可能なよう
です。
 たとえば、京都での定宿「信楽」についてのところです。
「京都まで帰って来た。・・我らの誌社の同人が定宿である三本樹の『御愛さん』方
に宿る、御愛さんは娘さんの名で、宿の名は信楽。三本樹といえば昔も今も京都通の
喜ぶ街だ、寂れているから静かだ、それが第一京都らしくて佳い。山陽の詩などで
名高い月波楼と水明楼は信楽の両隣に当って、料理屋と旅宿を兼ねている。二楼とも
大分に当世化したようだが、中に挟まれた信楽だけは依然として純京都式の宿屋を
改めない。七十に近い祖母さんと、娘の御愛さんと、女中との、小勢な女世帯で質素
に稼業をやって行く。」 
 まずもって京都の三本樹というのが、よくわかりません。そんなことで検索をかけ
てみましたら、その昔にあった花街で、荒神口から丸太町にかけての通りとのことで
す。それじゃ信楽とはといえば、これはいまはなくなってしまっているのですが、
京都文学散歩を書いた野田宇太郎さんの本のなかに記載があるとのことです。
 そういえば、数年前に京都の裏道散策をしていて、どうやら、この通りを歩いて
いたようであります。この通りにあるところを写真におさめているのを思いだしま
した。
 この「信楽」は、頼山陽が遊んでいたところにも近いのですから、中村真一郎さん
の本で、そのへんも確認をしてみましょう。

五足の靴 (岩波文庫)

五足の靴 (岩波文庫)

わたしの木下杢太郎

わたしの木下杢太郎