驚くことばかり

 昨日は博多の駅前通りに大きな穴があいたというニュースと映像を見て、驚きまし
たが、本日はUSAの選挙結果を知って、これも驚きました。なるほど世界は時々刻々と
変化しているので、これに対応しなくてはという現実主義者さんたちの言い分にも
一理あるのではと思うような、本日の出来事でした。
 何ヶ月か前にアーサー・ビナードさんが、どこかで今年の選挙は、この男の勝ちで
終わると書いてあり、さらに自分はこれまで予想をして外れたことがないとも書いて
ありました。そのときは、まさかねとおもっていましたし、本日午前まではビナード
さん、今回は外れだなと思いましたが、結果はおおあたりでした。
だから、USAではなくて、日本に住んでいるのさといわれそうですが、この国でもいつ
このようなことにならんとも限らない。(すでにじわじわとそうなっているか。)
 本日のような気分の時には、「神聖喜劇」を読むに限るかも知れません。作中の主
人公は、入営するにあたって持参した本は、「田能村竹田全集」一冊本とあります。
この全集に収録の文章のことが、同じインテリ新兵との間で話題になるのですが、
それは江馬細香に関してのことでした。
「人が細香、玉蘊(あるいは山陽、竹田など)に関して一定の知見を所有するのは、
学芸の(専門的な)世界においては、要するに極めて尋常普通の現象でしかあるまい。
ところで、また実際上これまでに、私は、私の父ならびに私の友人西条靫負の二人の
口から以外には、誰人の口からも、江馬細香または平田玉蘊の事蹟なり名前なりが出
たのを聞いたことがなかった。」
 もちろん、当方も江馬細香さんの名前は知らずでありました。ちょうど、昨年から
中村真一郎さんの著作などをのぞいていたことで、この名前を眼にすることになりま
した。中村さんの「頼山陽とその時代」のはじめのほうに「女弟子たち」という章が
ありまして、そこには、次のようにありです。
「山陽と細香との厚情は山陽の死に至るまで、絶えることがなかった。その間、十八
年、独身のまま細香は、七回にわたって滞京した。
 山陽の細香に対する愛情は並々ならぬもので、旅先でも欠かさず恋文を送っている。」
 中村さんの本に引用されている江馬細香の「別後贈人」という漢詩は、「神聖喜劇
主人公が中学生のころから愛重していたとありました。
 こんなところで、つながってくるとは思いませんでした。