雑誌の「フリースタイル」というのが、「小林信彦さんに会いに行く」という企画
をしているというのを見て、これを入手しました。
いるはずですが、目の届かないところにあるものは、いつまでたっても見出すことが
できないことです。ほぼ季刊ペースででているようですから、もう7、8年も続いてい
るのですね。
本日は、おちついて本を読むことはできなかったのですが、目次を見て、気になる
ページをぱらぱらとのぞいていました。
この雑誌で一番驚いたのは、和田尚久さんという放送作家の方が書かれた文章であ
ります。まさか、このような話を、ここで読むとは思いませんでした。これだから、
読書の世界は面白い。
「ぼくの父親が亡くなったのは2004年のことだった。名前を前田純敬と言う。といって
も、いろいろな事情があって、ぼくは父親に(赤ん坊の頃を除けば)二十回くらいしか
合ったことがない。・・
で、ほとんど誰も知らないと思うが、彼は戦後の一時期、活動をしていた作家だった。
・・ネットの情報かなにかで、山田稔という人が、前田純敬に関する回想を書いている
ことを知った。」
前田純敬さんの息子さんとこういう形で遭遇するというのに驚ました。わけありの
親子であるのは、なんとなく前田さんの逸話を読みますと理解ができることです。
この文章の中には、前田純敬さんについては、まずは富士正晴さんの文章存在がある
ことに、なんにも触れられていないことや、山田稔という人というそっけない書き方を
しているところなど、つっこみどころ満載なのですが、そこにこの親子関係の希薄さが
うかがえるのであります。