本日の野暮用から戻りましたら、「ユリイカ」5月臨時増刊 坪内特集が届い
ておりました。いつもでありましたら、どこかの本屋で購入するぞと思うのですが、
この時期でありますし、近間で入手できる店が思いつかないので、残念ながらの
ネット通販頼みです。これがくやしいけど速くに手にすることができるのですね。
今回の特集には、小沢信男さん、山田稔さんという東西の御大お二人が書い
ていますので、まずはほかの文章をほっておいてもこれは読まなくてはです。
坪内読者の本友達と話をしていますと、もう追悼文はよろしいので、坪内の「文庫
本を狙え!」とか、新しいコラムを読みたいねということになります。ほんとそれは
そうなのですが、これから新しい文章が書かれることがないと思うとさびしいこと
でありますね。
坪内さんの文章で読んでいないものはたくさんありますし、ほとんどは読んでも
忘れているのですから、ずっと楽しむことができるのでありますが。本日はなにか
古いものを手にしてみようと思って「シブイ本」を引っ張りだしてくることになりで
す。
今回のユリイカ特集はたくさんの方が書いているので、さーっと見るだけでもけっ
こう時間がかかりそうです。当方が気になっていることについて誰か書いていない
だろうかと次はチェックをすることになりです。
それは上の掲げた写真の本「シブイ本」の編集者であった萬玉邦夫さんについて
のこと。坪内さんが作家と編集者の関係にこだわったとすれば、坪内さんの初期の
著作「シブイ本」の編集は、一筋縄ではいかなかったであろう萬玉さんで、坪内さん
とあわせて萬玉さんのことに思いをはせるのもよろしでしょうに。
「シブイ本」の坪内さんのあとがきの最後には、次のようにあるのですね。
「本屋に行くことの好きな私は、また、書評集をはじめとする本についての本
を読むのも大好きだ。
中でも学生時代の私にとって忘れられない二冊の新刊があった。谷沢
永一の『完本・紙つぶて』と開高健の『白昼の白想』である。その洒落た装丁
も印象的だった。
その二冊の本の編集者であった萬玉邦夫さんによって、この私の初めて
の書評集を作ってもらえた。夢のようである。 1997年4月6日 」