考える人 文庫特集 8

 新潮文庫はえらい、小林信彦の「日本の喜劇人」「世界の喜劇人」を出し続けている
と昨日に記してから、心配になって検索をしてみましたら、アマゾンで高値がついてい
ましたので、これはすでに品切れとなっているのでありましょう。これが新潮文庫
現実でありますか。(新潮社は「定本 日本の喜劇人」を刊行した時点で、文庫の増刷は
よしてしまった可能性がありですね。)
 小林信彦さんのものは、小説よりもコラムが好きでありまして、文春文庫は週刊文春
に連載コラムをせっせと文庫化し、ちくま文庫はかってのコラムをだしていました。
新潮文庫は自伝的な小説などと「日本の喜劇人」などがそろいの黒い背表紙でまとまっ
ていました。(小生は、小説はあまり買いそろえてはおりません。)
小林さんの自伝的な小説では、次のものをあげておきましょう。

夢の砦〈上〉 (新潮文庫)

夢の砦〈上〉 (新潮文庫)

 拙ブログは、小林信彦さんの書名をいただいた格好になりますが、当方がこのタイト
ルではてなに登録したときには、小林さんの本のことは頭からとんでおりました。
ほんとうに忘れるが勝ちであります。とはいっても、この本は文春文庫です。
本は寝ころんで (文春文庫)

本は寝ころんで (文春文庫)

 いまはすでに品切れになっているのでしょうが、当方が勝手に読書指南の師匠と
思っている方のものが新潮文庫にありました。
二十世紀の十大小説 (新潮文庫)

二十世紀の十大小説 (新潮文庫)

 篠田さんの本は、もうすこし文庫化されてもよろしいと思いますが、過去に文庫となっ
たのは朝日文庫(これはそのあと講談社文芸文庫に)ともう一冊講談社文芸にはいった
もので、あわせて三冊です。
 それにしても、これはさびしいことでありまして、これは新潮文庫が悪いわけでは
ありませんが、89年に亡くなった篠田さんのものを2000年に文庫化したのは英断であっ
たのでしょう。