読まなくては

 幕下相撲力士の応援ばかりをしていないで、すこしは本を読まなくてはいけません
です。特に図書館から借りた本は、返却期限がせまってきます。
 あわてて手にしたのは、借りている次のものでありました。

 このところ機会があれば読むようにしている大島幹雄さんの昨年の新刊です。
版元は「せりか書房」であります。最近は、どのようなものを出していたのかと思い
ますが、ひさしぶり「せりか書房」の本を手にしました。
 この本のあとがきに、大島さんは次のように記しています。
「『サーカス学』の世界に私を巻き込んだ故久保覚さんと縁が深く、さらに私に学ぶ
愉しさを最初に教えてくれたミハイル・ バフチンの『フランソワ・ラブレーの作品
と中世・ルネサンスの民衆文化』やサーカスを記号学という視点で新たに解析した
ポール・ブーイサックの『サーカス アクロバットと動物芸の記号論』を刊行して
いるせりか書房から本書が刊行されるのがなによりうれしい。」
 そうなんだよな、久保覚さんが在籍していたころの「せりか書房」は、輝ける出版
社であったことです。
 この「<サーカス学> 誕生」の第一章は「綱渡りの詩学」となります。
 綱渡りといえば、最近にみたのはテレビ番組の企画で、お笑いタレントが数回の綱
渡りの練習だけで、川にはられた綱を渡るというものでした。そんなに高いところに
綱がはられていたわけではないのですが、数回川に落ちたあと、あきらめずに挑戦し
て、めでたくこの綱渡りに成功しました。普通であれば、数か月の練習をしなくは、
成功するのはむずかしいとほめていました。
 もちろん、サーカスで披露される「綱渡り」は、超絶技巧が要求されます。
大島さんが、最初に紹介しているのは「マン・オン・ワイヤー」(ニューヨーク・
ワールドトレードセンターを渡った男)でありました。
マン・オン・ワイヤー

マン・オン・ワイヤー

 こんなことが現実にあったことも知りませんでした。当方は高所恐怖症であります
ので、このドキュメント映画を見ることはないでありましょう。
そんなことを思いながら、大島さんの文章を見ておりましたら、昨日の新聞に、この
実話を、今度は映画化したという記事がでていました。
すでにワールドトレードセンターは、この世から姿を消しているのですから、こちら
のほうはCGでのつくりものとのことでした。それにしても、皆さんこわい映画が好き
なことですね。