本日は、ほぼ半日佐野真一さんの「あんぽん 孫正義伝」を読んでいました。
この本は、「週刊ポスト」に2011年に連載されたものに、その後の取材で判明した
事実をもとにして大幅加筆したものと、あとがきにありました。
このあとがきのあと、さらに文庫版のための加筆があるのですから、この文庫版が
「決定版」となるのでしょう。
だろうかと思ってします。元版はリンクがされているのだから、文庫だけ外すという
のは意味があるとも思えないが、しかしあれだけいろんな本があがってくるというの
に、2014年9月にでたこの文庫にリンクがないとは、ほんとうに不思議。
この「あんぽん 孫正義伝」は読みどころがいっぱいで非常に興味深いものです。
それは、次のような点についてであります。
(1) 孫正義さんの育った環境についての記述
(2) ソフトバンクをつくってから病気のために前線をおりていたときのリリーフ
役のその後
(3) かって孫さんとならび若き天才といわれた西和彦さんへのインタビュー
(4) 孫さんの反原発にかける背景
これらを佐野真一さんのあとがきでは、次のようにまとめています。
「朝鮮半島から逃げるようにして玄界灘を渡り、あからさまな在日差別を受け続けて
きた孫家と李家三代の歴史と、その反抗の血を胸の奥底に秘めながら佐賀・鳥栖駅前
の朝鮮部落から這い上がり、世界的起業家になった孫正義の物語は、同じシリコン・
バレー世代に属し、アップルを創業したスティーブン・ジョブズの生涯にも劣らず
感動的である。」
山口昌男さんの「本の神話学」ではありませんが、「移民の知的熱情」というのが
時代を動かそうとするのでしょうか。