月が変わって 3

 「みすず」は連載ものがほとんどですから、この連載ものに関心が持てないという
ことになりますと、読まずに積ん読ということになってしまいます。
 5月号でいきますと保坂和志さんのものとか、今福龍太さんのものを敬遠していま
すが、このお二人をあわせると20ページとなりますので、これは全体の三分の一に
あたります。やはり、これはもったいないか。
 「仙台が親戚」様に書き込みをしていただきましたが、これまでほぼ二年にわたっ
て連載が続いていた原武史さんの「日記」が、20回をもって終わりとなりました。
毎回14ページほどの分量ですが、これは定期購読してから欠かさずに読んでおりまし
た。これが終わるのは、ほんとに残念でありますが、公開を目的とした「日記」を
これだけ書き続けるのは相当にたいへんであったようです。
 これはそのうちなんらかの形でまとまって出版されると思いますが、後になって
から、この時代を振り返るための貴重な資料となりますでしょう。それだけでなく、
原武史さんの個人の生活をうかがわせてくれて、これも興味深いことです。
 5月号「日記」で、当方が一番喜んだのは、次にくだりでありました。
「『中央公論』編集部から来たアンケート『あなたが一番好きな女性アイドルは誰か』
に、『テレサ野田』と書いて返送する。七〇年代のNHK少年ドラマシリーズ『タイム
トラベラー』や『未来からの挑戦』に熱中した者にとって、このエキゾチックな女優
の名は深く刻み込まれている。」
 原さんは、学年でいうと当方よりも一回りほど下のようであります。70年代の少年
ドラマシリーズは、ほとんど見ることはできていなのですが、テレサ野田は、当方の
世代のヒロインでもありました。もちろん「八月の濡れた砂」でして、この映画が
撮影の時は14歳というのですから驚きです。
 原武史さんの日記で、ひさしぶりテレサ野田さんのことをチェックしてみました。
今もお元気で活躍をしているのでありましょうか。