片付けの余禄

 亡くなってすでに9年もたった父が残した本の片付けを、遅ればせではじめました。
父の本がすこし減れば、その空いたスペースに当方の本を持ち込むことができるのでは
ないかという不純な動機もありです。
 亡父の本を、身内で引き取ってくれるものと古本屋に持ち込むものと、捨てるものに
わけることになると思いますが、中心となるのは短歌関係のものでありまして、これの
おさまり場所を見出すのは、ちょっとたいへんそうです。すこし時間をかけながら、
やっていくことといたしましょう。
 そんなふうに片付けをやっていたときに、亡父が残していた図書券を見つけました。
以前に流通していた一枚500円のものが3千円分ありまして、これはうれしい。片付け
の余禄として、ありがたくつかわせていただくことにしました。
 これは有意義に使わなくてはと思って、本屋にいき購入したのは、次のものであり
ます。

 河出書房からでた元版を購入して読んでから、足立巻一さんのファンとなったのであ
りますが、朝日文庫版も購入したのですが、これで再読することはありましせんでした。
ちょうど就職した年に元版がでて、仕事をやめた年に文庫化されるというのも、何かの
縁ではないかと思います。さて、今年中に読むことができるでしょうか。
 そういえば、当方が「やちまた」という書名を眼にしたとき、この書名は父の本棚で
見たことがあったぞと思いました。それは竹尾忠吉という歌人の歌集のタイトルであり
ました。こちらのほうは「八衢(やちまた)」という表記でありました。
 もちろん、足立さんのものは、こちらとはまったく関係がありませんでした。
「やちまた」上下二冊を購入しても、すこしあまっていましたので、すこし気が大きく
なっている小生は、これにあわせて、次のものもレジにもっていったのです。当方は、ほとんどコミックの世界にはなじんでいないのですが、コミック雑誌で何号か
続けて購入したというと「COM」しかありません。「COM」が刊行されていたのは、67年
から71年とありまして、当方が購入していたのは70年から71年にかけてのことのようで
す。この下巻にあたる時期が当方が購入して時代と重なりまして、赤塚不二夫「トキワ
荘物語」は、それで読んだ記憶がありです。
上巻には、伝説となった漫画家「岡田史子」の作品が掲載されているのですが、比較的
近くに住む高校生であった当方は、ほぼ同世代にこのような人がいたということを
まったく知らずでありました。
 この方のことを知ったのは、四方田犬彦さんのエッセイによってでありました。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20070911