いつも心に

 いつも心にといえば、当方の世代には「太陽を」とつながるのでありますが、これは
その昔の英国の歌手ルルの歌でありました。

 その昔は思い切った日本語のタイトルがつけられましたが、これの歌詞のどこにも
「心に太陽」というのは登場しないのであります。原題は“To Sir, With Love”と
いうものです。
 これの歌のタイトルのせいではないかもしれませんが、「いつも心」といういいまわ
しを良く目にするようになりました。最近でありましたら、「いつも心にナンシーを」
であります。
 そして今月に朝日文庫に入った、次のものです。

 当方は、この本のサブタイトルを本日まで「いつも心にナンシーを」だと思いこんで
おりました。このサブタイトルは、「心に一人のナンシーを」でありまして、「いつも
心にナンシーを」というのは、毎日新聞に寄稿した大月隆寛さんの文章の見出しにあっ
たものでした。
 ナンシー関さんが亡くなったのは2002年6月12日とありますので、今月が祥月となり
ます。
 この本のまえがきには、「皮肉にもその訃報の上には、ナンシーがあれほど嫌ってい
たワールドカップの記事があった。」とあります。ワールドカップは4年に一度であり
ますから、亡くなった12年前もサッカーのワールドカップが開催されたのでした。
2002年のワールドカップは、どこが会場になっていたかと思っていましたら、日韓の
共同開催でありました。
 そうか、あの年にナンシーは亡くなったのか。
この前書きには、ナンシーのサッカーワールドカップへのコメントが引用されていまし
た。2002年2月8日号の週刊朝日に掲載のものだそうです。「セルジオ越後」の消し
ゴム版画が添えられていたとあります。
「さて、今年はいよいよサッカーワールドカップの年である。五月末開催に向け、はや
る気持ちはもうカウントダウンを始めている。って、私は全く興味がないけど。いや、
興味はある。始まったらどんなに嫌気がさすか、いまからドキドキである。」
 本日の朝日新聞夕刊一面トップはサッカーねたでありまして(当方が地域で配達のも
のです。)、ブラジル日系人が立ち上げたサッカークラブが話題となっていまして、
そこには「セルジオ越後」さんの顔写真いりであります。