いつも心に 2

 「いつも心にナンシーを」であります。
 ナンシー関さんが亡くなって12年、まさにナンシーのあとにナンシーなしでありま
す。今にいたっても、ナンシー関さん名義の本がでています。
 当方は一時期、朝日文庫とか角川文庫からでているナンシーさんのものをせっせと
ブックオフで集めていました。手元にだぶっていても、百円で見つかるとだぶりを承知
で購入するのが、次のものです。

 最近は、どんどんと思っていることがいいにくい世の中になってきているように思い
ます。ものいえば唇さむしでありまして、心ならずも「いいね!」とお愛想をいってし
まいそうであります。
 TVをみていてもそうであります。TVのこちら側でみている当方は、なに笑っているの
だ、面白くもないのにとぶつぶついっているというのに、TVのなかでは大受けをしてい
るような映像と音声であります。いつから、こんなんで受けるようになってしまったの
か。
 過去にはナンシーがいて、それにきちんとコメントしてくれた。たぶん、今もその
ような人はいるのでありましょうが、当方のアンテナにはかかってきませんです。
 とりあえず、ひっぱりだしてきたナンシーの文庫にあったのは、次のような文章であり
ます。
聞いて極楽 (朝日文庫)

聞いて極楽 (朝日文庫)

「私は中山秀征が嫌いである。なまぬるいバラエティ番組全盛の状況が生んだスター。
テレビを見ている私には全く関係のない『(芸能界内の)しがらみ・関係性・その他の
諸事情』のみでスムーズに回っているブラウン管の中の和気あいあい。中山秀征はこれ
らの象徴的存在だと私はとらえている。私がどう思おうが、ヒデちゃんはテレビに出る
わけだがな。今日も明日もあさっても。」
 この文章が掲載となったのは、週刊朝日94年7月26日号だそうです。いまから20年前
のことになります。中山秀征というタレントさんは、今もTVから姿を消すことなく活動
を続けているようです。ナンシーに嫌われるというのは、業界で生き残るために必要な
ことであったのかもしれません。