伊井直行さんは、自筆の年譜によりますと「1995年 辻原登氏に誘われて、東海
大学文学部日本文学科非常勤講師となる。」とあります。東海大学の文芸コースと
いうのは辻原登さんが、深くかかわっていたのでありました。
伊井さんの講談社文芸文庫版「濁った激流にかかる橋」の自筆年譜には、1999年の
ところに次のようにありました。
「 この年、辻原氏を中心に東海大学文学部に創作コースを設置する動きが本格化、
これをサポートする。学科として設立することが学内で決定した後、翌年にかけて
人事やカリキュラム策定、文部省に提出する書類の作成など辻原氏と共に行う。
もう一度やれと言われてもできそうにない面倒な仕事だったが、非常に面白い経験
でもあった。」
この学科が認可を得て、誕生したのは2001年4月でありますから、準備に1年以上
かかったことになります。それ以来、専任教員として活動しています。
もともと作品数は少ない伊井さんでありますが、これ以降、さらに発表される作品は
少なくなっているようです。
ウィキペディアによりますと、それ以降に発表のものは、以下のようになります。
『お母さんの恋人』(2003年、講談社)
『青猫家族輾転録』(2006年、新潮社)
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