長編小説を読む

 長編小説というと、どのくらいの文字数かなと思っていましたら、「20万字
(400字詰めで500枚)ぐらいあればいいですかね。」とありました。「これだと一般
的な単行本の一冊分」らしいです。
 長い小説好きは、このくらいの量ではもの足りないかもしれません。日本で長編小説
を良く書いた作家さんといえば、辻邦生さんのことが思い浮かびます。いったい全体
辻邦生さんは、生涯にどのくらいの量の原稿用紙をつかわれたのでありましょう。
フーシェ革命歴」「春の戴冠」など長い小説が好きな方でありましても、読み通す
にはけっこうな時間を必要としそうです。
 大西巨人さんが亡くなったことを機に「神聖喜劇」を読み返しているという人がいる
ようですが、当方はまだ読み通すことができていないのに、読み返そうというひとが
いることに驚きであります。「神聖喜劇」は長いことよりも、その極端な細部への拘り
についていくことができなかったりしてです。
 現在、手にして読んでいる小説はD・ロッジの「絶倫の人」(白水社)であります。

絶倫の人: 小説H・G・ウェルズ

絶倫の人: 小説H・G・ウェルズ

 これは長編小説らしい長さでありまして、二段組み500ページでありますので、
ページを稼ぐのはたいへんです。一日に何ページも読み進まないのですから、この
調子でいくとあと二ヶ月もかかる勘定です。これはいかんことであります。
(本を読むに邪魔となっているのは、このようにネットに関わることであるようで、
この時間がなければ、もうすこし本がよめるのかも知れません。)
 本日は203ページから読みつぎます。ロッジの作品は、買い続けているのですが、
過去の何作品かは読むにいたっていませんので、今回の本を読もうと思ったのは、
やはり「絶倫の人」という邦題のおかげであるのかもしれません。