久しぶりにデビッド・ロッジの小説を楽しく読んでいます。今回の本は短篇集とい
うのも手に取りやすくてよろしですね。
デビッド・ロッジは1935年生まれですから今年は82歳だそうです。ロッジのほとん
どの作品を訳している高儀進さんも同年ということですから、そろそろ店じまいも
近くなるのかな。
しかし、「記憶に残る結婚式」というは最近作といいますからして、短編という
分野では、まだまだいけそうであります。どういうわけか、このような作品を読んで
いましたら、丸谷才一さんの短編のことが頭に浮かんできました。
訳者の高儀さんの解説には、丸谷才一さんがデビッド・ロッジの「どこまでいける
か」を評したものが引用されているのですが、丸谷さんは「いかにもイギリスの作家
らしい滑稽な挿話、皮肉な叙述、知的な処理を次から次へとくり出してわれわれを楽し
ませる」といっているそうです。
丸谷さんが目指した小説の方向性もこういうものであったのでしょう。
当方の頭に浮かんできたのは、どういうわけか「鈍感な青年」という作品でありまし
た。デビッド・ロッジの作品と共通するのは、無器用なセックスを題材に扱った小説と
いうことになるのでしょうか。
これを機会に、「どこまで行けるか」と「鈍感な青年」を読み返してみたいものです
が、うまくいくかな。
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