仕事帰りに

 本日は仕事でありました。三連休、三連休といわれますが、どのくらいの人が三連
休となっているのでしょう。毎日が休みだから、特にどうということはないという人
と、世間のカレンダーとは違うシフトカレンダーで動いている人には、マスコミが
三連休、三連休というのは大きなお世話であります。
 世間が休みの時に仕事にいってよろしいのは、通勤にかよう道路が空いていること
と、外からの電話がすくないことでしょうか。
 それでも仕事帰りには、まっすぐに帰りたくなしでありまして、途中にあるブック
オフに寄り道でありました。こちらの店には、月に一度くらいしか来ることができ
ないのでありますが、本日はべらぼうな値段(もちろん安い!)で、次のものを入手
です。

あの過ぎ去った日々

あの過ぎ去った日々

 残念、古い本ですから表紙写真がでてきません。表紙は見たらすぐにわかる田村義也
さんによるものです。木下順二さんの散文作品の何冊かを田村さんが装丁をしている
ようでありまして、当方のところにも、次のものがありました。
本郷 (講談社文芸文庫)

本郷 (講談社文芸文庫)

ぜんぶ馬の話 (文春文庫)

ぜんぶ馬の話 (文春文庫)

 田村義也さんの「のの字ものがたり」では、「ぜんぶ馬の話」の装丁裏話を記して
います。ここでは、そのなかから、次の話を引用です。
「木下さんのお宅の応接間は、その壁面の一面が、全部馬に関する本の書棚になって
いることはよく知られている。それで、装丁のための参考資料として、数冊の本を木下
蔵書の中からお借りした。」
 そういえば、最近入手した安岡章太郎さんの文庫「父の酒」(文春文庫)表紙カバー
田村義也さんのものでありました。安岡さんと田村さんのつきあいは、うんと古い
ことであります。安岡さんの「意欲の人」(「父の酒」にはいっているものです。)
には、次のように登場します。
「大学予科で同級だったTが、昭和二十年代の半ばに出版社につとめて二、三年たった
頃、街で偶然出会った私に、いろいろ文壇の話をしてくれた。彼は私に、ぜひとも
長編を書けと強調して、もし今後小説を書いて暮らす気なら、少なくとも年に一本は
長編を書く必要があると言う。しかし私は、短編こそ小説の本領だと思っていたので、
そのことを述べたついでに、・・・」 
 ということで、短編の名手として永井龍男さんの名前をあげるのですが、これを
Tさんに永井龍男さんとは一緒にならんとたしなめられるのでありました。
このTさんこそ、若き日の田村義也さんでありますが、どうも本日は田村つながりで
あるようです。