退職後の楽しみ

 「本の雑誌」10月号の津野海太郎さん「百歳までの読書術」からであります。
 津野さんは、70歳で大学をやめて文筆家としての仕事はしているものの、まったくの
フリーのようであります。
「歳をとったぶん時間に余裕ができた。そこで、ゴンブリッチの『若い読者のための
世界史』(かねて読みたいと思っていたもの)といった入門書を手はじめに、ヨーロッ
パ中世史やキリスト教史など、地域の図書館をフル活用して、気になる内外の関連書を
片っ端から読んでみることにした。・・・
 小説も読んだな。・・・ 本だけでなく映画もみた。」
 歳をとって時間に余裕といわれても、70歳をこえてからのことでありますから、なに
よりも健康でなくては、このような生活はできないのであります。
 当方が、津野さんの現在に追いつくまでには、あと十数年という時間が必要になりま
す。
「もちろんこんなことはヒマ人にしかできない。それはまたヒマ人ならだれにでもできる
ということでもある。ヒマさえあれば、本にせよ映画にせよ、いまはサービスのしくみが
できているので、カネもさしてかからない。」
 退職後のカネをさしてかけずにできるしくみがあるということですね。
本については、「図書館で借りてざっと目をとおす」とあります。映画については、
DVDとありますので、映画館へといくわけではないようです。
「ちなみにDVDは居間のテレビではなく、最近は仕事用のコンピュータで見ている。暗
くした室内で27インチの大画面に正対して気になる場面をくりかえし見るうちに、
いつしか映画を本のように精読している気分になってくる。それが楽しい。」 
 さすが「本とコンピュータ」の津野さんであります。27インチ画面のコンピュータと
いえばiMacでありますが、最新のiMacは、ドライブがついていないので、DVDを見るた
めには外付けドライブを用意しなくてはいけません。津野さんのマシンは、最新では
ないようですが、以前のもののほうが高齢者にはむいているように思えてなりません。