「友の会」つながり 8

 津野さんの文章は、1999年のものでありまして、この時お母様は82歳とありました。
この当時「歩くひとりもの」(?)であった津野さんが、お母様が生きていた世界に
ついて論じた文章であります。
「 もちろん『友の会』は現在も生きつづけている。母が入会した時期からかぞえれば
半世紀がたち、創立69年目、1999年三月現在の最寄会の数は全国で2435。ただし会員
数は徐々に減り続けているようだ。・・・
 十年まえには三万人以上いた会員がいまは二万六千人に減ってしまった。おまけに
高齢化がすすんでいる。私の母はいま82歳で箱根の山中にひとりで住んでいるが、時
折、近くの町から会員たちがあつまって最寄会をひらいている。六人のメンバーのうち、
四十代がひとりいるだけで、あとはみんな六十歳以上なのだそうな。」
 これが書かれてから、十五年ほど経過していますが、上記の傾向はさらにすすんで
いるのではないでしょうか。家人がかって参加していたこちらの「友の会」も、高齢化
が進んでいるようで、より若い世代の「友」を獲得することが、最大の課題となって
います。
 「友の会」のメンバー達が、メディア(特にはTV)にスーパー主婦として登場する
のも、若い世代へのアピールの一つであるようです。
 もともとは、「婦人之友」という雑誌を媒介に友を増やしていたものでありますが、
最近は、活字メディアよりも映像メディアのほうが、友の獲得にはより効果的である
ようです。
 津野さんは、この文章の最後のところで、次のように記しています。
「なんの政治的、経済的背景ももたないひとりの人間が、たとえば気持ちのいい生活の
夢や映画への愛を人々と共有するために雑誌をだし、しかも印刷物だけでは満足できず
に、無償の読者の集まりを何十年も組織しつづける。それが雑誌である。それこそが
他の業種とはことなる出版ビジネスのすばらしい特性なのだ、とおもいたいところだが、
いまの世では、なかなかそうはいかない。」
 これから「友の会」がうまれる雑誌なんて誕生するのでありましょうか。
当方は「明日の友」を読むようになっておりますが、この雑誌の読者会なんて考えるこ
とはできないことです。