「友の会」つながり 4

 先日に「本の雑誌」を読んでいて、津野海太郎さんのお母様が熱心な「婦人之友」の
読者であったということから、「友の会」つながりを話題にしましたが、津野さんは、
婦人之友」について、以前に書いていたのを、本日になって見つけました。
 単行本が刊行された時には、購入をしているはずでありますが、まったく何を見て
いたのでありましょう。

読書欲・編集欲

読書欲・編集欲

 これに収録の「雑誌の読者が『同志』だった時代」という文章であります。
これは、もともと岩波書店から刊行の「知識人・近代日本文化論4」に収録されたもの
とあります。
近代日本文化論〈4〉知識人

近代日本文化論〈4〉知識人

 津野さんは、この論文を「二つの『友の会』」という章からはじめるのですが、それの
書き出しは、次のようになります。
「1950年代のなかばの数年間、まだ中学生だった私は『映画の友』という月刊ファン雑
誌を、なめるように愛読していた。私にとっての淀川長治とは、TVの『サヨナラおじ
さん』などではなく、まずは、かってその雑誌のカリスマ的な編集長だった人物なのだ。
・・・この雑誌には『友の会』という読者の集まりがあり、私もなんどか加入しようと
思ったのだが、なんとなく気後れしてそのままになってしまった。」
 このあと津野さんは、淀川長治さんの自伝から引用をするのですが、そこには淀川さん
が「友の会」のアイディアをいただいた集まりのことがでてくるのでした。 そういうことであったのかと、驚くことです。