同世代の死 3

 本日は大きな街の大書店へと立ち寄ることができましたので、そこで中川六平さん
が編集した最新刊を求めようと探しておりました。数日前にできあがったばかりと
ありましたので、運がよければ店頭に並んでいるのではと思いましたが、東京から
はるかに遠い、ここでは時間差が数日あるようで、手にすることができませんでした。
 これは残念でありました。次にこの本が入荷するような本屋へ立ち寄るのはいつの
ことになるのかで、これは近所の配達してくれる書店に注文することにいたしましょう。

古本の時間

古本の時間

 この大書店で、本を見ている時に、店内で店員にクレームをつけている男性がいて、
けっこう静かなところで、たまに大きな声をだしたりするものですから、いきおい聞き
耳をたてるような羽目になってしまいました。なにがどうしたのかわかりませんが、
なんとなくねちっこくからんでいるような雰囲気が伝わってきて、こちらはいやな気分
となってしまい、すこしでも早くにでたくなりました。気合いで本を引き寄せるとすれ
ば、気が散っては本をつり上げることはできません。ほんと、この店にはいって一冊も
購入することなく退散したのは、過去に記憶のないことでありました。
 中川六平さんは、当方よりもいくつか年上であろうと思っておりましたが生年をみま
すと学年は一緒のようです。同志社大学で、べ平連の活動ということですから、これは
鶴見俊輔さんの近くにいた人となります。
 晶文社からでていて、今は朝日文庫にはいっています鶴見俊輔さんの「期待と回想」
のあとがきには、「本書の編集アンカーとなったのは、中川六平氏であった。鶴見良行
氏が亡くなり、そのお通夜の席で私(塩沢由典さんのこと)ははじめて中川さんに面会
した。この出会いから、本書は晶文社から出版されることになった。」とありました。
このような出会いは、これから亡くなるということでありますね。
期待と回想 語りおろし伝 (朝日文庫 つ 12-1)

期待と回想 語りおろし伝 (朝日文庫 つ 12-1)