4月になれば

「4月になれば」というのは、サイモン&ガーファンクルの歌でありました。
「9月になれば」という邦題の歌もありまして、どちらかというとこちらのほうが、
明るくて好きでありますが、ともかく明日から4月であります。

 4月に入っての話題といいますと、東京の歌舞伎座のオープンでしょうか。これまで
歌舞伎座が営業を終える時に、舞台であいさつをしていた無形文化財となる名優の
何人もが亡くなって、このこけらおとしの舞台に上がることがかなわずでありました。
それこそ、当代きっての人気役者であった中村勘三郎もがなくなり、その後には、
団十郎までもが亡くなりました。これからの歌舞伎界をひっぱっていくことを期待さ
れたこの二人の死は、新しい歌舞伎座への悲しい捧げ物であります。
 これまでも歌舞伎の将来は暗いといわれたことがありましたが、その都度孝行息子
たちがでて救ってくれています。今回の歌舞伎座が、次の世代の役者たちの孵卵器と
ならんことを。
 そういえば、新しい歌舞伎座ができることを楽しみにしていた一人に丸谷才一さん
がいました。丸谷さんのコラムには、「新しい歌舞伎座のために」というものが
ありました。女性のトイレを多く設置せよとなっていましたが、この提言はいかされ
たのでしょうか。