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 先日、「本の雑誌」を配達してくれる本屋に支払いにいってきました。厚い本で
ありますと郵便受けに入らないので、不在の時には持ち帰りとなりますが、雑誌
一冊であれば、そのままいれていってくれます。ありがたきかなです。
 この代金をお店に支払いにいきましたら、いつもはがらんとしている店の駐車場
に車が数台はいってました。店にはいると客までいて、驚いたのなんのって、こんな
こともあるのかです。種明かしをすれば、なんのことはない、時節柄で高校の教科書
販売をしていたのであります。地方の裏通りにある小さな本屋にとって、教科書販売
は重要な収益源であるのでしょう。
この「本の雑誌」を配達してくれる本屋さんのご主人は、この地域の書店組合の組合
長さんをつとめています。その昔の書店組合のボスといえば、町の名士でありました
が、今の時代は、ずいぶんと小さな業界となったものです。
 そういえば、かって北海道の書店組合の会長をだしていた書店の旗艦店が閉店する
とローカル紙にのっていました。この店は、当方が高校のころには、もうあったの
ではないかと思いますが(もすこしあとかな。)、そこに住んでいたはやりに敏感な
高校生たちにとっては刺激にあふれた空間でありました。
 この書店は、札幌にゆかりの小西康陽さんの一押しのものでありました。小西さん
のエッセイには、この店へのオマージュがありました。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20120314 
 札幌の地下街、地下鉄の大通り駅でおりて改札を抜けると、立ち食いそばの店の
だしのにおいがして、不二家のパーラーと立ち食いそば店の間をいくと「リーブル
なにわ」にはいります。入ってすぐに文庫本の新刊があり、その左の壁には新刊が、
その反対側の壁にはすこし格調の高い本がならんでました。ここの全盛期には、
詩関係のものの品揃えがいいということで有名でありました。その上のフロアには、
岩波とかみすずの単行本と、経済書などとコミックスなどもあったでしょうか。
 たぶん、棚の構成などは時代ごとにかわっているのでしょうが、当方の記憶に
残っているのは、このような棚になっている店でありました。
 当方が学生のころには、札幌での待ち合わせというと、この「リーブルなにわ」
でというのが、ロケーションもよくて重宝したものでした。
 現在の経営者は、かっての社長の孫さんかなにかですが、まだすこし力がある
うちに閉店を決めたとありました。
 小西康陽さんが「ぼくにとって札幌の文化の拠点だった」と書かれた店の閉店で
ありまして、同じように感じている人も多いことでしょう。