本の雑誌 4月号

 「本の雑誌」4月号が配達となりました。昔ながらのまちの本屋さんが届けてくれまし
た。ありがたきかなです。そういえば、この本屋さんは、これから高校の教科書販売で
一年で一番忙しい時を迎えることになります。
 「本の雑誌」の特集は「夢の楽園『万歩書店』で遊ぼう!」であります。
当方は、岡山にこのような古本屋さんがあることを知りませんでした。これを見て、
岡山へといったら、ぜひともここをたずねてみましょうという気にはならずでありまし
て、これは当方の古本愛がすこし薄れているからでありましょうか。(すこし調子が
下向きであるからかもしれませんです。)
 今月号で一番驚いたのは、秋葉直哉さんが書かれた「ロング・リリイフ」というコラ
ムでありました。今回のタイトルは、「波立つすすきから見えてくるもの」です。
 まず秋葉さんって誰かと思って検索をかけましたら、かって流水書房青山店で「小沢
書店ブックフェア」を企画した方と知れました。当方は東京のセレクトショップは不案
内でありまして、流水書房には足を踏み入れることもなく、終わっていまいました。
秋葉さんがいまどうしていらっしゃるのかは知りませんが、お若くて、センスがよろし
いので、もっともっと活躍をしてもらいたいものです。
 ネットで検索をしましたら、本の雑誌のWEB版の書評を担当しているページがありま
した。 http://www.webdoku.jp/cafe/akiba/
 それで「波立つすすきから見えてくるもの」であります。このタイトルでとりあげら
れているのは、岩阪恵子さんであります。これまた渋いことで、驚きました。
 書き出しのところを、すこし引用です。
「長椅子に腰掛けた母親が隣にぴったり寄り添った小さな男の子に本を読んでいる。
ある日は宮沢賢治の童話を手にしていた。『セロ弾きのゴーシュ』を読んでやりなが
ら、青く光る猫の描写に立ち止まって母親は思い出す。『銀河鉄道の夜』の、青白く
光る銀河の岸でいちめん銀色の空のすすきが風に揺すれて波立っている光景を。物思い
に耽って読むのをやめてしまった母親の顔を、男の子が不思議そうに見上げている。」
 本の雑誌WEBに、秋葉さんは清岡卓行論集成をとりあげていますので、詩人清岡さん
に関心を抱いているのでありましょう。そこから岩阪恵子さんへとつながるのですが、
それじゃ岩阪さんに、どのような切り口でアプローチしていくのかです。