みすず読書アンケート 6

 読書アンケートで、これはなかなか面白いなと思ったのは、武藤康史さんがあげて
いるものであります。武藤さんは、いつから読書アンケートに回答を寄せていたので
あったのかと、ちょっと前からの号をチェックしてみましたが、数年前からのこと
であるようです。
 今年の号では、次のものをあげています。
 1 「中村真一郎 青春日記」     水声社  5月刊
 2 「トリュフォーの手紙」 山田宏一 平凡社  7月刊
 3 「アングロ・サクソン文明落穂集 1」渡部昇一 広瀬書院 8月刊
 4 「図書大概」 大沼晴暉 汲古書院 11月刊
 5 「昭和演劇大全集」渡部保・高泉淳子 平凡社 11月刊
 
 全く知らない本もあって、それも楽しいのですが、これにつけられているコメントを
みますと、一度のぞいてみたくなります。
渡部昇一さんなんて、ほとんど縁がない人でありますが、これには次のようにありです。
「『英語教育』で四十年以上続く名物コラムをすべて本にするとは頼もしい企てだが、
こんな薄い本で悠長な出版(その2は11月刊)、いったい何冊になるのか、何年かかる
のか。」
ベストセラーの著者として有名になった渡部さんではありますが、このようなコラムを
長らく担当していたとは知りませんでした。この方であっても、こうしたコラムがまと
められる機会は、これまでなかったということですね。
 武藤さんのあげるものには、慶應OBのものが目についたりしますが、今回の番外にも
金文京さんの「水戸黄門『漫遊』考」(講談社学術文庫)というのがあがっていて、
初めてこの方の名前に注目をしました。