本が本を呼ぶ

 今回の旅で立ち寄った三月書房で購入した一冊は、SUREからでた「北沢恒彦とは何者
だったか?」であります。これは、2011年7月に新刊で出たときに案内をいただいたの
ですが、すぐに注文することができず、そのうちに「みすず」のアンケートなどでも
取り上げられたのを目にしていたのですが、いつか機会を見てと思っているうちに
ここまできてしまいました。
 北沢恒彦さんという方が、どのような育ち方をしていたかはしりませんですが、当方
の世代には、ある種の有名人であります。「思想の科学」のメンバーであったことと、
京都市役所に勤めていて、長く中小企業相談員をしていたことによってであります。
京都は地方都市とはいえないでしょうが、地域に密着した活動を行うというのが北沢さん
のポリシーであったようで、そうした活動への共感からでしょうか。
 家のどこかには、著書「自分の町で生きるには」があるはずです。

自分の町で生きるには (1981年)

自分の町で生きるには (1981年)

 先日に、この本を購入して、あちこちぱらぱらと見ていましたら、次の名前が目にはい
りました。
「72(昭和47)年二月、中尾ハジメ、早川正洋、甲斐扶佐義らが、京都御所近くに喫茶
店『ほんやら洞』をつくるのを手伝う。
 80(昭和55)年9月 出町商店街主催『出町ふれあい祭り』で、ほんやら洞・甲斐
扶佐義らの取り組みを応援する。」
 当方が学生で京都でくらしていたときに「ほんやら洞」は開店するのですが、どういう
わけか、このお店にはいったことがありません。存在は知っていましたし、これにつなが
る人たちに興味は持っていたのですが、当時はちょっと違うなと感じていたのでしょう。
甲斐という名前が珍しいこともあって、画家の甲斐庄楠音さんの縁続きの方かと思って見
たのですが、これはまったく関係がありませんでした。
 こんなことを思いながら、ここ何日か暮らしていましたら、本日の仕事帰りに立ち寄っ
ブックオフで、次の本を発見です。
京都猫町さがし (中公文庫―てのひら絵本)

京都猫町さがし (中公文庫―てのひら絵本)

 小生は、貓が特に好きというわけではありませんが、本日にこの本を手にしたのは
北沢恒彦さんの本が呼んだものと思って購入を決めたわけであります。