最近の読書から 2

 今年入手した本で6000円を超えたものなんてあったろうかと、リストをみており
ました。最近の当方は2000円を超える本を買うときには、それなりに立ち止まって
考えるようになっていますので、6000円を超えるというのは、清水の舞台からで
あります。
 自分で購入の決断をすることができないものは、だれかにねだっておくっていた
だくにかぎります。誕生日になにかほしい本はないかいと聞かれたときに、もし
よろしければ、これをといって頼んだのが、次のものでありました。
( これが、今年入手したなかで一番の高額書籍であるようです。)

辻邦生全集〈20〉アルバム・雑纂・年譜・書誌ほか

辻邦生全集〈20〉アルバム・雑纂・年譜・書誌ほか

 辻邦生全集は、「絶えず書く人」である辻さんの刊行された著作のなかから、
20巻に圧縮されたもので、多くの作品がばっさりと落とされていて全集というのが
お気の毒なほどであります。ちょっと思いつくだけでも、あれがはいっていない、
これもないという具合です。
 辻邦生さんの熱心な読者の方であれば、単行本をこまめに購入しているはずであり
まして、そうした方に、一番価値があるのは資料編である「全集 第20巻」です。
ある意味、これが一番手がかかっていて、この全集の資料としての価値はこの一巻
にありです。
 辻邦生全集は、いまでも大型書店などでは新刊で入手可能なのですが、書店の
書架にあるものは、すべてラッピングされていまして、立ち見が不可でして、
これの中身をのぞくためには、図書館で借りるか、入手するしかありませんでした。
刊行されてから6年も経過して、やっとこさ入手した資料編を見て、辻邦生作品で
まだまだ読んでいないものがあることを再確認です。