最近の読書から

 今年も残すところ50日ほどとなってしまいました。そろそろ年末に発表される「今年
の収穫」にむけたアンケートがはじまるころでしょうか。
当方も手帖に記した購入図書リストをながめるのでありますが、今年は本の購入を控え
たせいもありまして、ひどくさびしいものであります。読めない本は買わないなんて
したのが失敗であったかもしれません。
 津野海太郎さんは、当方よりも13歳ほど年長でありますが、「本の雑誌」に連載の
「百歳までの読書術」では、「本を部屋に入れない法」として、次のように書いていま
す。
「 新しい本をできるだけ増やさないようにすること。・・買いたい本も我慢して買わな
いというような荒業が可能なのかね、と思っていたが、さほどむずかしいことではなかっ
た。
 理由は二つ。残り時間が減り、体力もおとろえて、十冊買っても、まぁ二冊読めれば
いいところだろうとわかってきたこと。それが第一。そして第二の理由が前回も述べた
収入の激減である。」 
 体力がおとろえてというところは、程度の差はある(と思いたい)ものの、当方も感じ
ていることでありまして、これが読書量の減少につながっているのは、間違いなしです
ね。体力というか、気力がおとろえるというのでしょうか、まだまだ若いのになにを
いっておるのかといわれそうでありますが。
 収入の激減というのは、当方にも通じるところがありですが、大学教授というのが、
どの程度の年収で、津野さんの収入がどのくらいからどのくらいに減ったのかがわかり
ませんので、これは比較のしようもありませんが、もともとは自分の仕事のために
使う書籍については、それなりの価格であっても、身銭をきって購入したとあります。
「しばらくまえまでは、いくら高くても気にかかる本はためらうことなく買ったし買えた
のである。みすず書房の刊行本でいえば、『印刷革命』(2001年 6090円)、『書物
の中世史』(2003年 6720円)、『アイザイア・バーリン』(2004年 6300円)
など。」
 みすず書房の6000円くらいの本は、当方のなかでは、まず読めない本に分類されるこ
とになりますので、買うことはほとんどないのですが、今年に6000円を超える定価の本
を購入したでしょうか。