本日は映画館へ 2

 映画「かぞくのくに」を見てきた話をしましょうと思っていましたが、どうやら分断
国家のことから話は「あ・じゃぱん」へととんでいきそうです。
そういえば、「かぞくのくに」の時代設定は1997年ではなかったろうか。矢作俊彦さん
の「あ・じゃ・ぱん」が刊行されたのは、97年11月でありました。
「アテンション・プリーズ」

あ・じゃ・ぱん (上)

あ・じゃ・ぱん (上)

 当方が持っているのは、新潮社からでたもので、上のものです。(決定版となってい
るのは角川のほうでしょうか。)
「あ・じゃ・ぱん」が連載されたのは、いまはなき雑誌「NAVI」でありました。
「NAVI」というのは車文化雑誌でありまして、名物編集長 鈴木さんの雑誌でした。
矢作さんは、高校くらいの時に、鈴木さんと出会ったのではなかったでしょうか。
学生運動つながりでありますが、鈴木さんはKO大学の運動リーダーで、その時に矢作さ
んは高校生でありました。どちらもドロップアウトしたのでありますが、ともに見事な
活躍であります。
 矢作さんは、ダディ・グースというペンネームでアメリカンコミックスのようなもの
を書いておりました。その頃に、作品を見た記憶があるのですが、まさかこの人が後に
なって小説家として有名になるとは思いませんでした。矢作さんの初期の作品について
もそうであります。 矢作さんを知るにいたったのは、「スズキさんの休息と遍歴」でありますが、この作品
の主人公スズキさんというのは、もちろんNAVI編集長からいただいたものでありまし
て、この主人公は2CV(もちろんシトロエン)にのっていて、ドンキホーテを彷彿と
させるのであります。ということは、2CVはロシナンテということになります。 これは文庫本でありますが、すこし縦長の元版のほうがこのましいのですが、こちらの
書影はアマゾンにはありません。