ページをかせぐ

 毎日すこしでも本を読み進みたいと思うのですね。あまり派手ではない長編小説を、
毎日すこしずつ読んで最後までたどり着くというのは、ほんとゆっくりペースの持久
走のような趣であります。しかしこういう小説というのは、定期的に給水ポイント
を設けながら読んでいかなくては、読むのが続かなかったりしますね。
 この8月には何を読みましょうかと思って、頭に浮かんできたものはあるのですが、
いまだに手にしておりません。それこそ読み終えるまでに1年もかかりそうなもので
ありまして、うまく息が続くでしょうか。70歳までには、あれとこれは読んでおきた
いと思っていますが、この作品に一年かかるとすれば、あれには何年かかるだろうか
な。
 当然に一年間もほかのなにも読まずにいるということはできないので、適宜ページ
をかせげるものもまぜていきますが、それはやはり小説ということになるのでしょう
か。当方の好みでいきますと、辻原登さんの小説などが思い浮かびます。あとは、
矢作俊彦さんのものなど(ノワールものを除くかな)もそうでしょうか。
以前でありましたら、辻邦生さんなどもそうした作家さんでありましたが、なにせ
すでに亡くなって何年もたちますので、読み残している作品が少なくなってきてい
ます。
 それでいきますと辻原さんは、いまだ現役で作品を発表していますので、まだまだ
楽しませてもらえそうです。どちらかというと長編小説は読みやすく、中編は仕掛け
があって、凝ったつくりになって小説の楽しさを味わうことができるように思います。
 辻原さんは、最近も新作の発表があったのですが、かっての新聞小説で、いまだに
読むことができていないものを、このお盆時期に読んで、ページをかせぐことといた
しましょう。

花はさくら木 (朝日文庫)

花はさくら木 (朝日文庫)