本日の本 2

 本日に手にしていたのは、昨日に行きつけの本屋で購入した次の文庫本であり
ます。
 

編集者魂―私の出会った芥川賞・直木賞作家たち (集英社文庫)

編集者魂―私の出会った芥川賞・直木賞作家たち (集英社文庫)

 編集者であった方が書かれたものは好みでありまして、こうしたものが文庫で
手軽に読むことができるようになるのは、ありがたいことです。
著者である高橋一清さんは、ながらく文藝春秋社で文芸編集者を務められた方で
ありまして、文藝春秋社を退職後に「青志社」から刊行したものが、今回集英社
文庫にはいったことになります。
 これなどは高橋さんの古巣である文春文庫からでてもいいように思いますが、
そのようにならないのが、この世界でありましょうか。
 この本には、高橋さんが担当した14人の作家が登場します。目次の一覧をなが
めて「阪田寛夫」さんの名前がありましたので、これで購入を決めたわけであり
ます。
 この14人は、高橋さんが担当したときには、すでに大御所的な存在であった
松本清張さんとか司馬遼太郎さんから中上健次さんのように、ほとんどはじめて
接した編集者が高橋さんというまで、さまざまな作家たちであります。
 まず目にしたのは、阪田寛夫さんについてのものですが、これの書き出しは
次のようになります。
阪田寛夫さんの担当者となったのは、たまたま私が、学生時代から借りていた
中野区のアパートに、文藝春秋入社後も住い続けていたという、ただそれだけの
理由だったのではなかろうか。しかし、阪田寛夫さんと出合ったことが、私の編集
者生活を決定づけることになる。」
 高橋さんが文藝春秋に入社したのは1967(昭和42)年のことでありましたから、
すでに阪田さんは、会社つとめをやめて、放送や音楽関係で引っ張りだことなって
いた時であります。