最近手にした本 7

 いしいひさいちさんを総特集したものが、このようにでてくるとは思いません
でした。
いしいひさいちさんは、朝日新聞の朝刊にまんがを連載して、すでに20年になり、
年齢も60歳の大台にのっているわけですから、すでに大御所とよばれれても良い
存在でありますが、当方にとってはいつまでたっても「バイトくん」の作者であり
ます。
 今回の河出書房の特集本には、バイトくんの舞台である下新庄と仲野荘がとり
あげられていますが、仲野荘の写真は、いまから40年ほど前に学生生活を過ごした
当方にもなつかしい建物です。あの時代には、仲野荘のようなところで学生生活を
過ごすというのが一般的でありました。
 仲野荘は、バイトくんの作中でも、かなり古い建物として描かれていますが、
その建物が、現存しているというのは、すごいことです。多くの漫画家たちが
暮らしていた「トキワ荘」については、保存できないかということが話題となり
ましたが、この「仲野荘」も、60年代後半に学生生活を送った当方には歴史的な
意味合いをもった建築物であります。
 もっとも下新庄のこのあたりには、こういう建物はたくさん残っているとなり
ますと話は別でありますが。