今年も山猫忌 7

 高橋悠治さんと柳生弦一郎さんによる絵本「ハハハのがくたい」を手にして、読んで
いましたら、当然のことのように、そのもとになった「アラフラの女王」を読んでみた
くなるものです。
 「アラフラの女王」というのは、「時価三百万ドル、稀代の宝物」でハハハの王様の
お城にあったものです。この宝物を、七人組がぬすみにかかるのであります。
「塔のてっぺんの壁には金庫がはめこまれてて、数字合わせでその金庫の戸をあけると、
中にメロンほどの大きさの真珠みたいなものがおいてあったよ。一人がそれをだんぶくろ
みたいなポケットにつっこんで、なにくわぬかおして、きたみちをひっかえし、ハハハ
部落へかえっていった。」
 これは絵本にでは、次のような絵で表現されます。

 ハハハの人が、地元の新聞を読んでいる絵になりますが、手にしている新聞はハハハ
タイムスですが、新聞の紙面には「水牛楽団のできるまで」という高橋悠治さんによる
文章が見えます。したのほうには、晶文社から刊行されていた「長谷川四郎全集」が発売
中とあります。このような紙面の絵をみて反応するのは、こどもにこの絵本を読み聞かせ
する大人でありましょう。大人であっても、ほとんどなんのことはわからない人のほうが
多かったようであります。