小沢信男著作 1

 昨日に小沢信男さんの著作目録を作成したことがあったと記しましたが、これは95年
のことでした。本年は、これを増補するとともに、もうすこし調べてみようと思って
おりましたが、なかなか動きだすことができずであります。(昨年くらいから、今年は
すこしやりますよといっておりまして、これを「小沢プロジェクト」と知人には吹聴
していたのですが、有言不実行であります。「小沢プロジェクト」というのは、以前に
小島信夫さんの作品「寓話」を、小島さんを敬愛する作家保坂和志さんとお仲間が、
テキストを打ち込んで、自費出版したKプロジェクトからのいただきです。)
 とりあえず、すこしずつ手元にあるものの整理から試みてみました。
 まずは初期の作品を書影とともに掲載してみることにいたします。

1 わが忘れなば  晶文社   1965年11月15日刊 480円

 「本の立ち話」には、「わが忘れなば 七千円!」という週刊朝日に寄稿した文章が
収載されています。小沢信男さんの本では一番入手が困難な一冊ですが、この七千円と
いう価格は、小沢さんから花田清輝さんに恵贈されたことによるプレミアムかと思い
ます。なんとなく、探している人が多くなっていることを感じますので、どのくらいの
価格になりますでしょうね。
 晶文社初期の本であり、平野甲賀さんの装幀ですが、その後の平野スタイルではなく、
平野甲賀装幀の本」には未掲載です。
 これに収録の作品と初出は、以下のとおりです。
 ・ わが忘れなば (「新日本文学」63年1月号)(*)
 ・ 徽章と靴 東京落日譜 (「現代芸術 58年 創刊号」)(*)
 ・ 新東京感傷散歩 (「江古田文学」52年8月号)(*)
 ・ 畜仙譚 (「新日本文学」61年2月号 )
 ・ 盧生都にゆく (「新日本文学」58年5月号 )
 ・ さなだ虫 (「現代芸術」61年8月号 )
 ・ 碑文字  (「新日本文学」63年1月号 )
 ・ 体の中のオルゴール (「近代文学」60年7月号 )(*)
 ・ 喪骨記 (「新日本文学」53年4月号 )
 ・ 七夕日記 (「新日本文学」61年10月号 )
 ・ もしもし (「新日本文学」65年5月号 )(*)

  (*)の作品は、75年9月刊の「東京の人に送る恋文」に再録されました。
 「わが忘れなば」巻末にある著者紹介を引用します。
  小沢信男 1926年6月5日 東京生まれ 日本大学芸術学部卒業
       新日本文学会員。文学世紀同人。月刊「うえの」編集部嘱託
       住所 東京都豊島区西巣鴨1−3511