小沢信男さんにとって7冊目となる「東京の人への恋文」であります。
あとがきには、次のようにあります。
「こんな本ができました。
これは小説集ではなし、随筆集でもなし、なにか妙なものだと自分で思います。
また、これは私の七冊目の著書なのだけれども、同時に第一創作集の復活でも
ありまして、さしずめ1ー7の連とでもいうような本なのです。」
これに続くあとがきは、とても興味深いのでありますが、これについては数日後に
また触れることにいたします。
とりあえず、これに収録されている作品をかかげてみます。(この本には初出一覧
がついていますので、それから引用です。)
徽章と靴 現代芸術 1958年創刊号 <わが忘れなば>に収録
「戸田家の兄妹」を二度見て 映画芸術 1973年12月号
私の「銃後の記録」 思想の科学 1965年8月号
八月の東京 展望 1967年8月号
東京空襲 新日本文学 1969年3月号
忘れられぬことば 国語教育 1970年10月号
桑原甲子雄写真集「東京昭和十一年」文芸1974年8月号
新東京感傷散歩 江古田文学 1952年8月号 <わが忘れなば>に収録
上野・わが青春 うえの 1965年12月号
アメ横に捧げるバラード うえの 1970年6月号
摩利支天繁昌記 うえの 1970年12月号
「夜ごとの美女」 江古田文学 1954年4月号
流れ者の美学 新日本文学 1967年1月号
有楽町にて 新日本文学 1967年2月号
ステージと拍手の関係 文芸展望 1974年春号
勤労動員世代のこと 文芸展望 1974年夏号
記録と共同制作の面白さ 文芸展望 1974年秋号
( 以下は明日に続く。)