昨日に続き、 第1期「舢板」(サンパン)の目次を引用です。
清風第五号 1984年「春」
金逹寿 日本の中の朝鮮文化
「 万葉集と古代朝鮮語 」
渋川驍 わが著書を語る「平林たい子文学賞受賞長編小説『出港』」
樋口敬二 連載 科学エッセイ 好きな本の周辺 5
「 朝日新聞社刊『世界の翼』」
森啓の仕事 ぶっく・でざいん その世界 「サイエンス誌のデザイン」
大谷晃一 連載 日本文学逍遥 「春琴と佐助の天地 」
久保田弘子 連載「夫の肖像(デッサン)」「勉強ぎらいの鍛冶屋の息子」
牧野高明 シリーズ 著者と本と編集者「著者への手紙」
( 「日記・記録による日本歴史叢書 」)
特別企画 読者の読書 「本の収納について」
涼風第六号 1984年「夏」
大谷晃一 連載 日本文学逍遥 「夏の花 一輪の花の幻 」
樋口敬二 連載 科学エッセイ 好きな本の周辺 6
「 今和次郎著『日本の民家』 」
安藤紀夫 「小林照明著『ひとりぼっちの流れ星』」
( 「この本は、ぼくの教科書だ」 )
国東照幸の仕事 ぶっく・でざいん その世界
「 講談社『医科学大事典」のデザインを終えて 」
堀淳一 連載「記号の風景」「旅は空気である」
久保田弘子 連載「夫の肖像(デッサン)」「初恋のころ」
永井信敏 シリーズ 著者と本と編集者「著者の夢を形に」
( 「高等学校用教科書『精選生物』」)
特別企画 読者の読書 「読書状況を眺めてみれば」
風霜第七号 1984年「秋」
田島安江 四季の詩「秋」
神作耕一 私を支える一冊の本「本居宣長『うひの山ぶみ』」
「林武画伯『美に生きる』」
大谷晃一 連載 日本文学逍遥 「秋津、山の彼方の 」
堀淳一 連載「記号の風景」「旅はアナログで」
久保田弘子 連載「夫の肖像(デッサン)」「青春時代」
栗田勇 本とのつきあい「古典の新しさ」
山本美智代の仕事 ぶっく・でざいん その世界
「 回想=BOOKデザインへの道 」
樋口敬二 連載 科学エッセイ 好きな本の周辺 7
「 藤原咲平著『 雲 』 」
保昌正夫 いろいろと好きな本あり「いろは体」
以上が、 第1期「舢板」の全目次です。
このほかには「バルカローラ」いう松本八郎さんによる編集後記が各号に掲載
されているようです。
このようにしてみると、連載として7号通してのものは、樋口敬二さんのもの
だけでした。
先日に掲げたちらしには、 第1期「舢板」の紹介記事が掲載されているの
ですが、「ほるぷ図書新聞」1983年4月15日号「版木」欄にあったものとのことです。
「出版界がすこしも活字離れに歯止めをかける企業努力をしない現状に、怒りと
焦燥を感じたデザイナーが、独力で季刊エッセイマガジン 『舢板』を創刊した。
・・ 『舢板』は32頁で増頁などせず、マイペースで進んで欲しい。松本さんの
熱意に応えて参加した宮本輝、小沢信男、庄司浅水、岡田喜秋といった人たちの
エッセイにも、スタートにふさわしい小気味の良さが感じられる。雑誌刊行の台所は
かなり苦しいようで、本紙の読者に支援をお願いしたくなった。」
これは創刊時の紹介ですから、この苦しい台所が、その後にもっと苦しく
なって、「七号にして休刊を余儀なくされた」となるのでした。