2010 夏の読書 3

 昨日は、夏の読書という話題から脱線して、今はない「ブックス栄松堂目黒店」
のことを思い出しておりましたが、麹町「山王書房」というのは、いつ頃まで
あったのかと検索をかけてみました。
 どちらかというと古本好きの方々にお立寄いただくことが多い、拙ブログであり
ますが、「山王書房」というのを目にしますと、麹町の新刊書店よりも古書店として
有名な「山王書房」のことを思い浮かべるほうが一般的でありましょう。
 野呂邦暢さんがエッセイ集「小さな町にて」に収録している「山王書房主」という
ものがありますが、あの「山王書房は私のすまいに一番ちかい所にあった。見るから
に頑固そうな主人が店番をしていた。」ところではありません。(この頑固な書房主
が残した遺稿集「昔日の客」というのは、これを持っていることが古本者のステータス
のような一冊でありますが、これが、今年には復刊されるという話であります。当方も、
これで幻の「昔日の客」を手にすることができるかな。)
 麹町の通りに面したところにあった「山王書房」は、普通の新刊屋でありましたが、
昔はちょっと立ち寄れば用が足りた本屋というのが、けっこうあったものです。
山王書房の書皮というのは、以下のものです。

 この書皮は、山王書房と京橋書房の店名が記されていて、この両方の店で使われて
いたもののようです。当方は山王書房しかつかっていなかったのですが、オリジナル
の書皮で、どなたのスケッチになるものか、「エッフェル塔」「「ソレント」
ノートルダム」「「パルテノン」「コロッセオ」が描かれています。ここに掲げた
ものは88年3月にでた「自分のなかに歴史を読む」にまかれていたものです。
 ここの本屋では、そこそこ文庫本を購入した記憶があるのですが、書店でのカバー
外されているせいもあり、どの本を購入したか判然としておりません。