ブルータス30周年

 最近の雑誌の休刊ラッシュにはつらいものがありますね。雑誌で定期購読しているも
のはといえば、「図書」「ちくま」「一冊の本」といった出版社のPR雑誌が中心で、
そのほかでは「本の雑誌」だけであります。PR雑誌は購読料が安いので、まあいいか
ですが、「本の雑誌」は、当方の関心領域とかぶるものが少なくなっていて、最近は
必ず目を通すものがいくつもありません。
 一年に数回購入するという雑誌は、「考える人」「芸術新潮」ですが、ほかにはどの
ような雑誌を購入したでしょう。一年に数回しか買うことがなくても、ほぼ毎月、書店
で手にしていますので、無くなると淋しくなります。ここ数年では「銀花」「ラピタ
が、特に残念に思いました。これから休刊となる「スイング・ジャーナル」はもう何年
も手にしたことがないのですが、かっては毎号レコードショップで立ち見しており
ました。(レコードが売れない、オーディオが駄目となると、それを取り上げる雑誌が
駄目になるというのは当然であります。これで良いのかとは思いますが。)
 これ以上、なじみの雑誌が休刊しないようにするためには、せっせと雑誌を買うこと
が必要なのですが、そのわり当方の興味をひく雑誌がないのですよね。特集などを組む
雑誌でありましたら、その特集によって購入するのが「ブルータス」であります。
 今年は、これまで2冊購入しています。1月に刊行された「本が人をつくる。」と
いう特集と、6月1日号「ポップカルチュアの教科書」と題された号です。
 マガジンハウス社(もともとは平凡出版)は、雑誌をやって単行本をださないほうが
いいのにという声もありますが、その昔の平凡出版時代にも山川方夫の長編小説「日々
の死」などを刊行という実績がありました。(小説家 後藤明生は、平凡出版の編集者
であったはず。)
 マガジンハウスの雑誌というと、休刊が近くなってからの「鳩よ!」がよかったこと
です。「坪内祐三の特集」とか「L文学の特集」などはとってもよく出来たもので、
休刊覚悟となると、ずいぶんと思いきったことができるものです。