本日はお休みで

 大型連休の始まりですが、当方のお休みはカレンダー通りです。
 お昼からNHKFMでは「今日はとことん昭和歌謡」という番組をやっていました。
本日は「昭和の日」というのでありましたね。もちろん「昭和の御代」には「天皇誕生
日」でありましたが、その後「緑の日」と呼ばれて、いつからか「昭和の日」となりま
した。祝日の谷間にあった5月4日は、いつからか「国民の祝日」という呼び名の
「祝日」となったのですが、これがいまは「緑の日」であります。祝日というのは、
簡単に動かせたりするものでありまして、最近は、特に景気浮揚のために政策的に動か
されることが多いようです。祝日に意味をもたせるのであれば、あんまり動くはいかが
なものかであります。
( いつのまにか、祝日でハッピーマンディにのみ込まれていないのは、戦前からある
祝日が中心となってしまっています。商業主義と天皇制のせめぎ合いのような年代であ
るようです。)
 お休みが続くと、なにかまとまったものが読めるのではないかと期待して、この期間
に読みたいと思うものを購入したりするのですが、当然のことながら未読のものが山の
ようにあって、本の置き場に困るだけの結果におわります。
そうは思っても以下の本が、各冊105円でありましたら、これは買わずにはいられま
せん。

天城一の密室犯罪学教程

天城一の密室犯罪学教程

 大学で教鞭をとっていた作者 天城一さん(本名は中村正弘)が、この作品集を出し
た時には80歳を超していました。
「密室犯罪学教程」のあとがきには、次のように書かれています。
「檜舞台の『宝石』誌に乱歩先生のご推挙を得て処女作を掲載したのは1947年の昔のこ
と、戦後第一期の新人の扱いを受けたのに、処女出版は半世紀も後のことになりました。
推理文壇の新記録ではないでしょうか。
 ・・・・主人公を記号論理学専攻の学徒としたのは、戦前日本にはいなかったから
でした。記号論理学の専門誌をとってくれと大学に要求してそれが通ったとき、指導
教授から、編集者の手紙で日本ではじめてとってくれたと礼状が来たよと伝えられ
ました。・・二十年休筆したのは本業が忙しかったからでした。・・」
 このような高価な本が刊行されて、刷りを重ねるのでありますから、推理小説
ファン層の厚さを実感しますが、それであれば、どうしてこれが105円になるので
あるかと、首を傾げることであります。これのいくつかの作品は、この休み期簡に
読めるでしょうよ。