函館つながり 2

 本日の函館つながりは、「本の雑誌」09年6月号の編集後記にあった話題で
あります。6月号の最後のページは、編集者が小文をよせているのですが、この
雑誌の編集者である「浜本茂」さんのところにありました。
「 大島幹雄さんが発行する『アートタイムズ』の第4号が届いたので、ぱらぱら
めくっていたら、おお!と手が止まった。長谷川濬『木靴をはいえ 面影の函館』
(はこだて写真図書館発行 モール発売)という本の広告が載っていたので
ある。長谷川濬は長谷川四兄弟の三男。一人三人全集の長男 海太郎、画家の
次男 りん二郎、作家の四男 四郎の四兄弟のなかで、もっとも地味な存在だが、
『偉大なる王』の翻訳などで記憶されている。その三男の未発表エッセイや氏を
まとめたものらしいのだが、いやそんな本がでていたなんて知りませんでした。
 ちなみに長谷川濬は小中学校とも亀井勝一郎、田中清玄と同級生だった
そうで、何を隠そう、私はこの同級生たちの旧制中学の後輩にあたるのだ。
高校に入学した直後にむかえた80周年イベントで田中清玄の講演を聞いたっけ。」
 昭和初年の函館は、札幌よりもずっと大きな存在のまちでありまして、
函館の人々は、なかなか札幌のことを認めようとはしませんでした。
明治維新によって天皇が東京にいっても、京都から首都は動いていないという
ような話であるかもしれません。
 それにしても、最近に話題となった佐藤泰志とか辻仁成もそうですが、函館は
歴史が古いだけあって、多士済々であります。
 
 それにしても、長谷川兄弟で一番地味といわれる長谷川濬さんの文章を
よむことが出来るのであれば、この本を確保してみようかしらん。