釣り逃した獲物

 一昨日、小生のところに届いた中野書店在庫だよりである「古本倶楽部」は、
「もうちょっとで大正百年、特集」でありました。
ページを開いてからは、ずっと大正年間に刊行された書籍がならんでいました。
小生は、ほとんど大正の本はおいかけておりませんので、これはパスしており
ました。
 冊子のあとのほうに、おまけのように通常の古書がならんでいましたが、そろ
そろページも終わりに近づいた89ページ(全部で97ページであります。)に
次の本がのっていました。

3549 小さな町にて 野呂邦暢 文芸春秋社 初版 カバー 帯付き 昭和57年刊
    価格 1575円

思わず嘘だろう、なにかの間違いではないのかと思いながら、注文のメールを
作成し、発信したのであります。
 結果は、当然のように見事に売り切れであります。天網恢々でありまして、
東京からはるかに遠くに住む小生は、先着順となりますと、不利な状況にあります。
小生は、すでに帯なしの本を一冊もっていて( 帯なしでも、この値段の倍以上は
したと思います。)、これを入手できましたならば、読書仲間に贈りましょうと
思っていたのですが、そのもくろみはもろくも消滅いたしました。
 この本を入手された方は、限りなく東京に近い人ではないのかと思いますが、
人が多いところで暮らす方には、それなりにストレスがありますので、まあ
地方くらしは日々を過ごすストレスが少ないとしましたら、納得するしか
ありません。
 野呂邦暢さんの著作は、もうすこし容易に読めるようにしていただきたしです。
多くはありませんが、熱心なファンがいるころでありますし、さらにファンも
増えているように思いますので、文芸春秋社は、かっての作品集でよろしいので
復刊していただくようにお願いをしたいものです。( 小生は、これを架蔵して
おりますが、いまのところ、これしかまとまったものはないのですから。)