ディーノ・ブッツァーティの本  2

 小説家のディーノ・ブッツァーティが、画家として著名であり、絵が本職と
いっているとは知りませんでした。ほとんどディーノ・ブッツァーティの絵など
見る機会はないのですからね。
 先日に「クマ王国の物語」を押し入れから発掘してながめていたのですが、昨日に
自宅に届いていた岩波「図書」4月号を見ていて、驚きました。
「図書」4月号の表紙には、洋書が掲載されていまして、そこには「DINO BUZZATI」と
あるのでした。ディーノ・ブッツァーティは、このように表記するのか。翻訳された
本には必ず著者名と書名のオリジナル表紙があるはずですが、これまではまったく
ディーノ・ブッツァーティのイタリア語での表記は意識されていませんでした。
 岩波「図書」の表紙の選とコメントは宮下志朗さんですが、この「図書」に寄せた
コメントは、以下のようなものです。
「 ディーノ・ブッツァーティ 『六十物語』 表紙
 たまには二十世紀の書物を。『タタール人の砂漠』などで知られるイタリア人作家
 ディーノ・ブッツァーティの短編集だ。『七人の使者』『七階』など、寓話的と
いうか、魔術的リアリズムというか、一度読んだら忘れ難いお話が収められていて、
この作品集でストレーガ賞を獲得している。・・・
 ブッツァーティの本 を選んだのは、画家としての彼を知っていただきたいから。
この『六十物語』の『島を担いで』と題された絵を初めとして、ほとんどの作品の
表紙を自作で飾っている。」
 日本ででた翻訳本をすべて見ている訳ではありませんが、これまで見たところでは、
「ほとんどの作品の表紙を自作で飾っている」なんていわれても、それは誰の話と
いう感じであります。