その一冊のために

 本日に家人から手芸屋さんに行きたいのだけど車をだしてくれないかとの

話があり、その店と同じフロアにはチェーンの本屋さんがあることもあって、

二つ返事で了解することにです。

 本日あたりに気になる文庫新刊が書店に入荷しているのではないかと思う

のであります。昨日に行きつけの店にはなかったからな。新刊の場合は発売

日から何日遅れて書店に届くのかわからないのですが、いまは貨物が遅れて

いるという話も聞こえていないので、本日は大丈夫でしょう。

 ということで、店について家人は手芸屋へ、当方は本屋へといってまっす

ぐに文庫新刊がならんでいるところをチェックすることに。おお文庫新刊は

入っているではと見ますと、当方の欲しい一冊だけが抜かれていました。

これは遅れをとったか。各一冊しか入らないのでありますからして、ここ

での入手は無理でありますね。

 これはいかんで、ここから行きつけの店にまわって、文庫を探すことにで

すが、こちらはありがたいことまだ売れてなく、入手することができまし

た。めでたしめでたしです。

 大きな本屋さんで本を買っている人や、通販大手のサイトで入手している

人には、このように本を確保するためにあれこれと戦略を練って、書店に

足を運ぶ楽しみはわからないでありましょう。気持ちは狩猟民なのでありま

すね。なかなか簡単に入手することが出来ないから、狩猟の技術は向上する

のでありますよ。これはたぶん、古本屋さんとかブックオフなどでも活かせる

はずなんだけどな。

 本日の確保は、もちろんこれですよ。

  この文庫本は、野呂邦暢作品集という副題があることからもわかりますよう

に、「愛についてのデッサン」に加えて短編が五つ添えられています。

作品集というとかって文藝春秋社からでたものと同じタイトルになりますが、

こちらは小説だけをまとめています。

 編者は岡崎武志さんで、おかげで野呂邦暢さんの本が手にしやすくなりまし

た。