元旦の新聞から

 本日は新聞休刊でありまして、これは例年のことです。かって年賀状も2日は
配達はお休みであったと思いますが、民営化のせいか、本日は配達ありです。
今日くらい年賀状もお休みしてもいいのにです。
 朝日新聞の元旦号を見ていましたら、新春対談「吉田秀和さんと丸谷才一さん」の
「希望は女性にあり」というのがありました。今時に、「希望は女性にあり」という
のもいまさらな感はいたしますが、なんといっても対談をしていますのは、95歳と
83歳の老人でありますからね。
 吉田秀和さんは、音楽分野における女性の進出を、次のようにいっています。
「音楽でいえば、例えばベルリン・フィルのような世界一流のオーケストラから、
今評判になっているベネズエラの子供を中心とするオーケストラまで、女性のメンバー
がそのうち半数を超えそうな勢いです。かっての男ばかりの時に比べてまったく見劣り
しない。」( むしろ、オーケストラを男性だけで構成しようというほうが無理に
なってきているのでしょう。ウィーンフィルは、どうなったのでしょう。)
 これを受けて丸谷さんは、「川上弘美さん、高樹のぶ子さん、江國香織さん、まだ
まだほかにもいろいろ。エネルギーが豊富だし、新しい領域を描けている。男の作家
たちは今までの繰り返しになりがちだもの。女の人たちは、女の生活が新しくなって
きたから、題材が多い。戦前の女の作家は、教育勅語的な倫理にさからう人生の冒険
家として、がんばって生きて、それを報告するという性格が強かった。林芙美子とか
平林たい子とか、それが変わってきて、洗練されてきたという感じですね。」
 
 そういえば、丸谷才一の作品における「女ざかり」と「輝く日の宮」という長編
小説の主人公はともに女性でありますが、どちらかというと、人生の冒険家として
の女性という感じを受けてしまうのでした。
 ずいぶんと昔に、女性についての期待を語って本にした人がいることを思いだし
ました。この本でも読み返してみようかしらん。

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/2/4301090.html