正月に届いた本

 頼んであった本が、正月にどっと届きました。全部で10冊くらいになる
のですが、まずは手にしやすいものからつまみ読みを始めております。
 この先になっても、つまみ読みで終わりそうなのは、岩波文庫の11月新刊で
ある「 蛇儀礼 」であります。

蛇儀礼 (岩波文庫)

蛇儀礼 (岩波文庫)

 ヴァールブルグという人は、著名な銀行家一族の出身でありまして、その名を
冠した研究所を設立したことで有名であります。その文庫と、それを母体にした
研究所は、山口昌男さんの「本の神話学」のハイライトとなっているのでありま
した。
 この本の訳者である三島憲一さんの解説では、そこのところが、次のように
なっています。
「その後ヴァールブルグは、ハンブルグの私邸にヴァールブルグ文庫を創設し、
芸術史、文化史、芸術論、文化論、神話学、考古学など純文科系の多岐にわたる
分野の膨大な書物を収集しはじめた。この研究所は1919年にヴァールブルグ
自身の援助もあって新設されたハンブルグ大学の付属として、ヴァールブルグ
文化学研究所となる。また同大学哲学科に教授として招聘されたカッシラーと、
特に20年代以降、密接な協力関係を結ぶことになる。「シンボル形式の哲学」
をはじめとするカッシラーの仕事は、ヴァールブルグ文庫とのたえざる対話なし
には成立しなかったであろう。」

 この岩波文庫は、半分が解説となっていまして、ヴァールブルグに興味を持つ
人には必読であると思われます。(もちろん、まだ読んではいないのですが。)
小生は、山口昌男さんで、ヴァールブルグという名前を知ったせいもありまして、
この解説のどこかに、山口昌男さんという名前を探してしまうのですが、たぶん
言及はされていないでしょう。