二列目の人生 2

 「 二列目の人生ー隠れた異才たち」 集英社文庫のあとがきには、ここで
とりあげた人物の肖像は、季刊「銀花」「ちくま」「論座」「言語」という
雑誌に掲載した文章がもとになっているとあります。
 まずは、元版(晶文社)にあったあとがきにあるくだりを引いてみます。
「 結局、長短とりまぜて十八人を書いた。わがひそかな意中の人たちである。
 どこかしら少年のころの”宝もの”と似ていたようだ。机の引き出しの奥に
 しまっていて、ときおりそっと確かめて満足した。
  そのうち二人を省いたのは、『二列目』に収まりきらない気がしたからだ。」
 
 これが文庫版となるにあたって、あらためて記されたあとがきでは、次のように
なります。
 「 本がでてから五年になる。読み返してあれやこれや思いだした。タイトルの
 二列目の意味は単行本のあとがきで述べている。そこから一人が抜けた。」

 用意した18人が、二人は単行本となる段階でのぞかれたようですが、文庫化され
るときには、さらに一人がはずれて十五人となっています。
 今回にはずれたのは、洲之内徹さんでありました。
それはそれで、どのような肖像が描かれたというのが気になることですが、単行本と
なった5年前に「二列目」におさまりきらない気がした二人をはずして時に洲之内さんは
「二列目」の人としても違和感がなかったということですから、この数年でずいぶんと
洲之内さんはメジャーになったということでありますか。