北海道にゆかりの

 北海道出身の八木義徳さんや千歳市に住んでいた作家 長見義三さんの作品集を
装丁していた田村義也さんは東京の出身でありますが、息子さんが北海道の大学を
卒業されて北海道で就職されたことにより、北海道との縁が深くなったようです。
 北海道にゆかりとといえば小西康陽さんもそうであります。ちなみにピチカート
ファイブで一緒の女性も北海道出身者でしたか。歌をうたうひとであれば北海道に
ゆかりの人はいっぱいいるよと、へんなところでふるさと自慢であります。
 最近手にしたものでは、これが北海道であります。

遠別少年 13のストーリーズ (光文社文庫)

遠別少年 13のストーリーズ (光文社文庫)

 北海道はつくづく広いと思うのは、北海道に長くくらしていても足を踏み入れた
ことがないところが多いだけでなく、町の名前を聞いても、具体的に場所が思い
浮かばない時であります。この遠別というのは、稚内に近い小さな町でありますが、
本のタイトルにでもならなければ、ほとんど意識されずに終わってしまったでしょう。
 この本の著者 坂川栄治さんは著名な装丁家でして、このような方が、このような
辺地からでたことに驚くしかありません。
「 私が生まれ育ったのは、地図でみつけるにも苦労するようなへんぴなところで
 した。
  北海道の最北端の町『稚内』から日本海側にすこし降りると、人口が五千人にも
 満たない小さな町がポツンとあります。それがこれらの話の舞台となった『遠別』
 です。『エンベツ』と読みます。・・・
  私がたまに懐かしさも手伝って昔の話をすると、聞いているひとから日本じゃ
 ないみたいとよく言われました。でも私は決してロシアの話をしたわけでは
 ありませんでした。北国の当たり前の生活を語っただけでした。
  冬の厳しさが違うだけで、『遠別』にも日本の他の町と同じように時間は流れ、
 他の町と同じように思い出は作られていました。」坂川栄治「遠別少年」より

 そういえば、遠別のとなりに「天塩町」という、やはり小さな町がありますが、
日本の官僚組織のトップの一人である現在の財務省事務次官という人が、この町の
出身ということで話題になりました。この事務次官さんは、就任の時にインタビュー
に答えて、わたしほど小さな町で育った人間は、霞ヶ関ではすくないといっていま
したが、この人も、東京でこども時代のことを語ると、それは日本の話といわれたの
でしょうか。