和田誠「装幀の本」2

 本日にラジオを聞いていましたら、「阿久悠」さんの追悼番組をやっておりまして、
これまで何曲に詩を提供したかという話をしておりました。番組は、2000年の
再放送ですが、そのときに数えてはいないけどたぶん5000曲はくだらないと
いっていました。最初に提供したものは、はっきりと記憶に残っているといって
いました。
 和田誠さんも精力的に仕事をこなしているひとですが、和田誠さんが最初に装幀した
のは、61年「ジャズをたのしむ本」なのだそうです。この本の編者である寺山修司
さんが指名をしてくれたことによって、手がけることになったのだそうです。
 翌年には谷川俊太郎さんのものを手がけているのですが、「あのころは、寺山、谷川
両氏に編集者、作家、音楽家、映画監督など、いろんなジャンルの人に引き合わせて
もらっていた。それが今につながっているわけで、自分のキャリアを振り返るとき、
『ジャズを楽しむ本』と『アダムとイブの対話』は、なかなか象徴的なのである。」
 この本にでているもので、小生が一番最初に購入したものは何であろうかと考えるの
ですが、これがわからないのであります。古いものは、趣味的なものが多いということ
で、ほとんど買うことはなかったのでしょうね。そんなんで、70年代にはいってから
すこしずつ買うことになったのでしょう。学生のころは、あまり和田誠さんの世界に
お金を投じることはなかったか。
 著者別になっているなかで、一番手元にあるのは、丸谷才一さんのものであるよう
です。
「 丸谷才一さんの本とのおつき合いは『女性対男性』から始まり、以後担当した
装幀はかなりの数になる。初めは軽いエッセイに関して依頼があったのだが、やがて
評論や創作の装幀も手がけるようになった。軽いエッセイといっても『軽妙な』という
意味であり、力を抜いているわけではないから、装幀の方も単純に軽ければいいと
いうものではない。さらに文芸評論や純文学となるとそれなりの対応が必要で、その
ためずいぶん勉強をさせていただいたことになる。
 丸谷さんから装幀の材料として特定の絵画を指名されることがある。日本文学史
サム・フランシスの組み合わせなど、意外な発想が大いに刺激的だ。
 こういう場合、ぼくはグラフィック・デザイナーとしての力をできる限り注ぐように
する。それも楽しい作業である。」

 丸谷さんのものでは、「男のポケット」76年4月は新刊で購入した記憶があります。
サム・フランシスさんの名前は、大岡信の文章で聞いたことがあるように思います。
「日本文学史早わかり」のサム・フランシスのものは、色あざやかで、とても印象に
残るのですが、それだけデザインとして処理するのは難しいでしょうか。