- 作者: M.ユルスナール,岩崎力,Marguerite Yourcenar
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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本日は金曜日ですから、仕事帰りにはブックオフによるぞと思って
仕事にでたのですが、いいかげんで仕事を切り上げて、首尾良くブックオフに
立ち寄ることができました。仕事に詰まったり、気分転換をする必要がある時は
ブックオフによるというのが、ストレス解消法となっているようです。
本日も、まずまずの収穫でありました。
小生がいきつけのブックオフは、最近単行本を25%くらいの値段で販売して
いますので、破格の値段で入手することができるのでした。もともと内容が
難しくて、読み通すことはできないのではないかと迷う本も、半額どころか
25%というと、ほとんどただみたいな値段でして、読み通すことができないと
思う本も、えいやっで購入してしまうのでした。
本日は白水社からの「ユルスナールコレクション」を数冊購入しました。
「空間の旅・時間の旅」というのは、帯には「批評的エッセイ」とあります。
このなかには、「ボルヘスあるいは、『見者』」というエッセイがありますが、
このなかにボルヘスとアルゼンチン大統領の「ペロン」との関係について
記された文章があります。
「 72年ペロンの二度目の独裁政治が始まると、ボルヘスは亡命を余儀なく
された。詩人は、かって神にむかって「私はまだいきていない。生きる時間を
与えてほしい』と訴えたことがあった。失明がそうであるように、亡命もまた
彼には彼には、不幸というよりあたらな自己主張の契機に思われたようである。
・・・ボルヘスは本当の独裁者とその妻にしてもペテン師と蝋人形以上に
真実というわけではなく、ときには現実性のない時代の象徴にすぎないのだと
いうことを想起させる。・・
事物の絶えざる変転とほとんど分限の複雑さをいくらかしっている者なら
誰でも、歴史を前にしたとき、次第に恐怖と不条理の感覚にとらわれるはずだ。
この二つの感覚はどちらもかわることはないが、やがてこの二つの概念が弱まる
こともないうちに、新たに第三の概念が付け加える。途方もない欺瞞という
概念で、能動的であれ受動的であわれわれは能動的であれ、受動的であれ、
われわれは皆それに関与している。 」
ペロンの奥さんであるエバさんは、愛称がエビータでありまして、国を
救う救世主のようにむかえられたのでした。若くになくなったことが伝説の
存在となっていますが、近年は、ミュージカルの主人公のモデルとしてのほうが
有名であるようです。
最近、アルゼンチンの大統領選挙にでた女性は、これまで大統領であった人の、
奥さんでありまして、雰囲気というか、戦略的にエビータニ似せているように
思いました。
ハイパーインフレが進行していた国でありますが、世情が不安定となると、
カリスマのような雰囲気をもった人に、あっさりとひきまわされるので
ありまして、注意をしなくてはいけないのでした。